神さまが司令官

第二章 全国の教会から


3、尊い献げものが

 「この働きは恒久的なものではないから、振り替えなどの口座は作らない」という子安本部長のこういう姿勢があて、義援金は持参されたものと現金封筒によるものと決めていた。

 救援対策本部がスタートした1月24日、この本部のことはまだ外部には知られていない。活動に必要なお金は1銭もある筈がなかったが、そこには世の常の心配とは別の意識があった。そんな私たちのリーダー・子安先生について少しご紹介しよう。

 先生はスケールが大きく、大概のことは、「いいよ、いいよ」と笑っておられた。よく祈り、先頭に立って物資を集め、教会を問安し、一日中でも電話の応対をされていた。活動家でありながらゆったりとしていて、絶えず「お茶でも飲もうよ」とまわりの緊張をほぐして下さる。疲れた若いボランティアを銭湯に連れて行き、「たまにはちゃんとした食事を」とボランティア全員を誘って下さったことも……。私たちの救援対策本部の活動は、こうした先生の信仰で続けられていったと言えるだろう。

 太っ腹で、些細なことにはこだわらないと思われるのに、目を通すべき所にはきっちりと目を通し、まわりにも非常に細やかな気を配っておられた。会計のことは、出入の管理、記帳、領収書の発行、お礼状等、その殆どは子安夫人がされていたようであるが、以前から心臓に弱さを覚えておられた夫人にはさぞ大変なご苦労であったことと思う。先生は1日の仕事を終えてから、そのすべてをチェックしておられたようである。お金の心配については、ついぞ口にされなかった。

 そんな先生の信仰に神さまがお応えくださった。本部がスタートしたその日、東京からトラック第一便が到着した。その方々が持ってきて下さった義援金は、こんなところでその金額を明記するのは失礼かと思うが、1,561,543円であった。こんなにも細かな端数が並ぶ献金の、ついにその一つ一つの教会名は判らずじまいだったが、お一人お一人が心を込めて、緊急の用のために、財布ごと捧げて下さったものと想像している。この献金は、翌日被災教会へのお見舞い金として支出されているが、ついに1銭も本部の運営費に使われることはなかった。この献金に、本部にいた私たちはどれほど励まされたことか、改めて心からの感謝をお伝えしたい。

 神戸には、教会を支援するたくさんの救援活動が生まれていたが、超教派というと余り多くはない。この救援対策本部が神戸宣教祈祷会から出来たものであるということが少しずつ知られるようになって来たためか、日本福音同盟、近放伝などが一本化して救援活動を行い、私たちをもバックアップして下さることになった。1月31日に日本福音同盟から活動資金補助金として尊い献金が寄せられている。これは私たちにとって誠に有り難い助けであった。2月1日付けて一本化した「阪神大震災被災教会復興支援協力会」は調査員を派遣して聞き取り調査を行い、多くの教会に多額の義援金を送って下さり、今後もきめ細かい対応をしながら援助活動を継続してゆかれると伺っている。

 私たちに寄せられた義援金は、子安先生の意向で出来るだけキープし、被災教会へのお見舞いに用いさせて頂いた。1月、2月、3月と、中には重複した教会もあるが、延べ124教会、特に牧師家族の生活費の足しにとお渡しした。この震災で礼拝出席者が50%、60%に減少し、牧師の生活を支えることが出来ない教会が少なからずあると聞いたからである。これは出来るだけ持参してお届けしようと、牧師たちが手分けして走ったが、どんなに喜んで頂いたかその一部をお伝えしよう。

主の御名を崇めます。
 先日は、ボランティアの青年六名をガレキかたづけのために送って下さり大変感謝でした。全く申し分なくレンガのガレキをかたづけて下さったばかりでなく、水汲みまでして下さり感謝にたえません。おかげ様でまもなく始まる教会建物の一部解体工事がしやすくなりました。
 更に又、今度は御献金をありがとうございました。少々つかれを覚えておりました所のグッドタイミングな応援に頭が下がります……。ありがとうございました。


 第1次牧師家庭へのお見舞い金は、必要が満たされてから現金封筒に宛名書きを始めた。しかし、第2次は与えられると信じて、まず現金封筒の宛名書きを始め、書き終わった時に必要が満たされた。次の第3次牧師家庭へのお見舞いを送る時のことである。3月に入っており、前回から半月もたっている。何とか早く送りたいがそれだけのお金がない。私たちは祈った。すると、インマヌエル船橋教会と東京聖書教会から続けて多額の献金が届いた。第3次見舞金が充たされたのである。緊急の時には、神さまの応答も早い。祈りはその日のうちに応えられることがしばしばあった。

 ときには、ボランティアの食事が粗末になって来ることもある。一生懸命工夫をしてはいるが、よく見るとインスタントラーメンであったり、おにぎりや漬け物だけだったり……。そんな時、淡路の宇山福音教会から婦人会(ご近所のノンクリスチャンも含む)のお手製ですと、大量のおでんを村島潔牧師が届けて下さった。とてもよく煮込まれたおいしいもので一同大満足。こういう教会は他にも(名谷ルーテル教会・H・サンペ先生など)あった。そして、3月半ば、本部スタッフとボランティアのためにと、匿名で155万円の献金があった(その必要のため祈っていた時に!)。まことにタイムリーでビッグな神さまからの贈りものであった。

 ボランティアの方々が持参して下さった諸教会からの献金、ボランティア個人の心のこもった献金、中には帰りの旅費、青春18キップ分のみを残して全部献金された方もある。被災教会自身からのもあったし、子どもの貯金箱からと思われるものもあったようである。そして、いろいろな団体からの献金、これは私たちへのものばかりではなかった筈、二重にも三重にも捧げて下さったということなのだろう。クリスチャン新聞やキリスト新聞などで私たちの活動を紹介して下さったことから、この救援対策本部の存在を知り、献金をお寄せ下さった方もある。現金封筒などで全国からたくさんたくさんお届け頂いたその総数をここで記すことは出来ないが、その献金総額は1700万円を超えている。神戸の諸教会は、13年前からハワイでのハワイ放送「心に光を」を支援して来た。今回の神戸の被災を知り、北村餘子アナウンサーは、ラジオで(又、日系教会にも)呼び掛け、30000ドルを超える義援金を送って下さった。こんなに小さな者たちの働きに、こんなにもお捧げ下さったお一人お一人の上に、神さまからの豊かな祝福を祈り、心からの感謝を申し上げたい。
 この会計報告を子安和宣兄がパソコンで打ち込んで下さったので、次に掲載する。


会計報告
                  (1995.1.24.〜4.30)

                            キリスト教神戸宣教協力会救援対策本部
(収 入 の 部)

1月  献  金( 7件)              2,374,543
    補助金( 1件)                200,000
2月  献  金(74件)              5,102,957
3月  献  金(56件)             5,391,898
4月  献  金(23件)              4,300,089
     補助金( 1件)               300,000
        計                 17,669,487
   (内補助金)                 (500,000)

(献金者内訳)
  団 体   26
  教 会   75
  個 人   55
  匿 名    3
※ 補助金 (2件) 日本福音同盟・近放伝より


(支 出 の 部)

教会見舞金(延178)              8,479,860
食  費                       1,547,116
交通費                          865,157
光熱費                         359,960
通 信 費                        549,269
事 務 費                        556,771
備 品 費                        257,683
救援物資購入費                 2,024,868
救援活動援助費                 1,755,271
そ  の  他                      901,000
    計                     17,296,955

(4/30現在、収支残高 372,532円)
※ その他:事故自動車修理費、為替差損、本部事務所補修費1部負担、他
* 支出内訳・1〜4月は割愛させていただきました。

献金をお送りくださった団体と教会
(1995.1/24〜5/22)
加古川高砂キリスト教会グループ・関東有志諸教会&個人・イエス福音教団・青梅キリスト教会・高砂教会・立川駅前キリスト教会・インマヌエル船橋キリスト教会・イエス福音教団東京地区教会・佐倉福音キリスト教会・イエス福音教団浜松教会・日本同盟基督教団・茨城聖書教会・西神聖書教会・日本基督教団渋谷教会・広畑キリスト教会・栗橋キリスト教会・伊那福音教会・聖書宣教会・松見ヶ丘キリスト教会・西掘キリスト教会・朝顔教会・はんこセンター・洲本キリスト教会・ウエスレアンホーリネス教会連合・平塚福音教会・アトリエローク・いのちのことば社伝道グループ・神戸キリスト教書店・垂水神の教会・油津キリスト教会・フリーメソジスト教団・武蔵野泉教会・奥多摩バイブルキャンプ・猿橋キリスト教会・青梅キリスト教会・鶴ヶ島教会・川鶴教会・JEA首都福音キリスト教会・日本バプテスト教会連合・韓国基督大学平和奉仕団・日本キリスト宣教団氏家福音教会・荒川区めぐみ福音教会・アッセンブリー志村教会・百万人の福音・国際クリスチャンセンター・日本キリスト教団金町教会・クリスチャンアカデミー・鳩山福音教会・日本FEBC・朝顔教会・カルバリーバプテスト豊田キリスト教会・垂水福音教会・横浜福音教会・クリスチャンミッションアライアンス・カルバリーバプテスト富士山キリスト教会・岸和田聖書教会・出雲南キリスト教会・インマヌエル船橋キリスト教会・東京聖書教会・聖三一コミュニティチャーチ・練馬神の教会・バプテスト連合大野キリスト教会・東京聖書学校・百合が丘バプテスト教会・JECA南関東地区教会・マーシーミニストリーズ東京・谷山福音教会・町田南キリスト教会・洲本キリスト教会・昭和橋キリスト教会・虹ヶ浜チャペル・浜田山シニア隊・御殿場純福音キリスト教会・聖書神学舎・ニューライフジャパン・福岡栄光キリスト教会・塩屋キリスト教会・静岡中央キリスト教会・イエス福音東京教会・脇町キリスト教会・篭原キリスト教会・近放伝・日本自由メソジスト岩屋教会・ハワイ諸教会有志・立川駅前キリスト教会・パリビューバプテスト教会(ハワイ)・合同メソジスト東オアフ日語教会(ハワイ)・国際シャロームキリスト教会・インマヌエル名古屋東教会・浜田山キリスト教会ボーイスカウト杉並9・ジャパンカルバリークルセード・鳴門キリスト教会・港北聖書教会・CIMA−CORPORATION・平野ナザレン教会

※ たくさんの心のこもった義援金をありがとうございました。個人名、敬称 は省かせて頂  きましたが、みなさまの暖かい心をいっぱいに感じて用いさ せて頂きました。
キリスト教会神戸宣教協力会救援対策本部
(代表) 子 安 敏 夫
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