神さまが司令官

第一章  経   過


4、情 報

 この働きが軌道に乗ってゆくためにどうしても必要なもの、それは情報である。私たちは教会の被災状況を知り、その情報を提供するという2つのことに着手した。この情報の提供であるが、電話、郵送、ファックス、口コミとその方法は多岐にわたったが、いつももどかしさを覚えさせられていた。それが、ずいぶん後になってからであるが、パソコン通信が出来るようになり、それもいくらか活用出来たように思う。残念ながら、パソコン通信についての知識が少なく、緊急時前にこれを活用することを覚えていたらもっと役立ったであろうと思う。

 さて、ルーテル神学校内に活動を始めた加古川・高砂の教会グループ(以下、森田グループと呼ぶ)にクリスチャン新聞の記者2名(三浦支局長、山路薫記者)がいたことから、震災当初から記者やボランテイアたちが足と自転車で集められた情報が、小さなメモ用紙に判読も難しい状態で机の上に散乱していた。1月22日(日)、礼拝を終えて再度ルーテル神学校の森田グループに加わろうとした筆者に、家内(由紀子)が「私も一緒に!」と言う。「バイクで行くつもりだし、どんな様子か判らないから、今日はダメ」と私1人で出掛けたが、あいにく雨、途中でバイクの調子もおかしくなり、仕方なく車で行くことになった。家内は大喜びで古い古いワープロを抱えて乗り込んできた。これも神さまのお指図だったのかも知れない。家内はワープロで仕事をしていたことがあった。

 ルーテル神学校に着くなりテーブルの一角を陣取って、先に記した小さなメモを整理し、ワープロに打ち込んでゆくことになった。家内はやる気満々である。明石・神戸地区と芦屋以東阪神地区の2つの地区の教会名簿を作ることから始めることになった。資料はキリスト教年鑑とクリスチャン新聞の記者が持っていた「教会インフォメーション・サービス」の教会リストと神戸宣教祈祷会の教会名リストであった。後に手分けして電話で調べて頂いた淡路の教会、他、若干数の教会も加えた。出来上がった教会リストに、散らばっている大小様々なメモ用紙に書かれた状況(他のボランティアからの情報も含む)を、中には2つ3つ重複しているものもあったが、整理しながら家内に渡してゆく。他にも1人ボランテイアの兄弟がつきっきりで、それら全部のメモを整理し、打ちこんでプリントアウトしたのが翌朝の9時、一睡もせずに、実に18時間連続の作業であった。

 「兵庫県南部地震被害状況」 神戸市内を9つの区別に、それに明石を加えて157教会、内、被災状況を書き込めたのは79教会で半分にも満たなかったが、ともかくも「被災状況第1号」が出来上がった。これと共に芦屋以北の情報(122教会、内24教会の情報のみ)を23日に行なわれた神戸宣教祈祷会の会合に持ち込むことが出来たのである。これが救援対策本部始まりのアッピールに役立った。しかし、この情報第1号は情報量も少なく、何時のものか、どのソースのものか明らかでなく、間違った情報も交じっていたと思われるので、早急に改定の必要があった。教会の役員が召天とある一方、同じ人と思われるのに役員の息子さんが召天とあり、これを「別報」と入れたり、第1報……(誤報)と入れたり、その混乱ぶりは第1号を読まれた方はお判りのことと思う。

 それらを一つ一つ確かめ、新しい情報も加えて第2号を作り上げたのが1月26日、それでも情報記載は88教会に留まっている。この第2号と同時に、県外からのボランティアのために教会所在が判るような地図を作り、情報と込みにして初めての人でも必要な所へはどこにでも行けるようにした。これは記念に持って帰る人も多かったため、30部、50部と何回も作り直す。印刷だけでは判りにくいため、教会名と矢印を全部赤ボールペンで書き込んだので、奉仕をされたボランティアには大変なご苦労であった。

 第3号は1月28日、情報数も114に増えている。次第に増えてゆく情報は、ボランティアの方たちが足で集めたもの、牧師たちの問安によるもの、他、明石上の丸教会の内貴八郎右衛門牧師、聖書同盟関西地区の岩井満牧師(明石在住)が連日本部に詰めて電話をかけ続けて下さったおかげである。第3号から表題が「阪神大震災被害状況・キリスト教神戸宣教協力会提供・協力クリスチャン新聞」となった。

 第4号は2月7日、第5号は2月18日で、全壊や半壊などの印がつき、全壊9、半壊7、取り壊し予定3、大がかりな修理が必要な教会44、倒壊もしくはダメージの大きい牧師館17と、数字を記した表紙をつけている。情報数も184となっている。

 3月28日に第6号、これが最終号となるが、第5号を神戸市内の全教会に送り、「訂正と対策」の返信が返ってくるようにし、併せて日本基督教団等のリスト、電話で問い合せたもの、足で集めたものの集大成を試みた。まだまだ不備なところが沢山あるが、これが私どもの出来る精一杯のことである。以下、その全文を掲載する。なお、阪神地区の情報は最初のものだけで、遂に仕上げることが出来なかった。


阪神・淡路大震災被害状況
(キリスト教 神戸宣教協力会 救援対策本部提供)
1. 掲載地区は、神戸・明石・淡路のみ、芦屋以東の阪神地区は含まれておりません。

2. この情報(第6号)は最終号となります。

3. 掲載教会数:186(神戸:159 明石:17 淡路:10 教団本部含 カトリック除
   枠外掲載:15施設(神学校、キリスト教書店、養護移設など)

4. 以下の印を被害状況の目安としました。
   (前号と若干被災教会数が違っています。枠外は幾分削除しました)
   @ ■:全壊と報告された教会          (11教会)
   A ▲:半壊と報告された教会          (13教会)
   B ◆:取り壊し教会・取り壊し予定教会    (20教会)
   C ※:大がかりな修理が必要な教会      (61教会)
   D △:倒壊、もしくはダメージの大きい牧師館(32軒)

5. 死亡者数:信徒および教会学校生徒数   41名
          信徒家族および教会関係者   44名

   ◎ 極力正確な情報を得たいと願いましたが、まだ確認の取れていない教会もあります。
      ご容赦ください。
キリスト教神戸宣教協力会救援対策本部
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         ■:全壊 ▲:半壊 ◆:取り壊し ※:大規模な修理を必要とする教会
        *:アンケート用紙に回答のあったもの(キリスト教神戸宣教協力会提供)

神戸市 東灘区(〒658)
御影福音教会

日本イエス・キリスト教団
黒田 重明
御影本町*−*−*
(078−***−****)
教会員1名召天。建物にひび、ガスタンクあり、漏れているため先生方は自動車の中に避難された。信者の家10軒倒壊。近くの公園で救世軍が炊き出しをしている。(2/3)
(対策と祈り)
神戸新生教会

日本イエス・キリスト教団*
鎌野 善三
田中町*-**-* 山田ビル
(078−***−****)
会堂亀裂多数で被害大。隣に借りたCS用マンションは「危険」表示のため使用不能。
召天:2(1名は役員、1名は教会員の娘さん)、重傷:1(教会員の妻、亡くなった娘さんの母親)
(対策と祈り)会堂は応急修理をして使用。コンクリート壁の補修は未定。経済的な困難を予想。
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枠外
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愛の園(養護
老人ホーム

13
斉藤 信男
(〒***−**)
須磨区妙法寺野路山1053
(078−***−****)
建物は大丈夫。ご老人で避難されている方が大分ある。水がよ
うやく出るようになって助かっている。多くのボランティアとスタッ
フが忠実な世話をしている。
(対策と祈り)
愛神愛隣舎
14  (養護)
灘区泉通*−**
(078−***−****)
マリスト
   国際学校

15
ジョージ・フォンタナ   *
須磨区千守町
(078−***−****)
校舎使用不能。管理棟と体育館は使用可。校舎を取り壊すだけ
で1億円必要。仮設プレハブを建てるだけで2千万円必要。生徒
と教スタッフは無事であるが、家を失った生徒は何人かいる。当
初800人避難していたが、現在は400人程。2/20からフリー
タイムで授業再開の予定。(2/8)
(対策と祈り)被害がひどく、建直しに13億かかりそう。2/3は
行政負担、残りは学校が負担しなければならない。これから解
体作業が始まるが、近隣の住民とうまくゆくようにお祈りください。
4/20まで体育館に200名が避難している。
* この被害状況表は、教会数:186、枠外(神学校、キリスト教書店、クリスチャン病院、老人養護施設、学校等):15に及ぶものです。余りにも膨大な資料のため、形式のみの表示にさせていただきました。お許し下さい。左下にあるナンバーがそれです。
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