福音と宗教

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W、日本人の宗教

1、神道(−(最終回)

c. 教派神道


 教派神道、その主なものは、幕末から明治にかけて誕生した教団です。聞き慣れない宗派名が並びますが、日本の宗教界にかなり大きな比重を占めていますので、紹介していきます。

a、山岳信仰系
 *実行教:富士信仰を中核として、復古神道的色彩の教えとされています。信者数11万人。
 *扶桑教:富士山に登って心身を清め、天を拝して神の道を体感するとします。信者数4万人。
 *御嶽教:木曾の御嶽山(おんたけさん)を聖地とする一派です。信者数58万人。

b、民間信仰を基に教祖が創設
 *黒住教:教祖が、天照大神と一体となる神秘体験をして立教。信者数30万人。
 *金光教:金光大神を教祖とする。信者43万人。
 *天理教:中山みき創設。山伏の加持祈祷により、3日間神懸かり状態になり、「我は元の神、実の神である。この屋敷に因縁あり。この度世界一列を救ける為天下った。みきを神の社にもらい受けたい」と聞き、立教。信者数、神道系新興宗教最大、189万人。

c、禊祓(みそぎはらえ)行法を行う系統
 *禊教 : 教祖の神秘体験から立教。信者数10万人。
 *神習教:教祖が富士山・御獄山などで修行を行ない、立教。信者数28万人。

d、伝統的神道が儒学の影響を汲んだもの
 *神道修正派:教祖が武家の出身であるため、儒教色の強い神道。信者数 約4万人。
 *大成教:大成とは神道諸派を集めるという意味、諸派雑居の一派。信者数6万人。

e、復古神道のながれを汲むもの
 *出雲大社教(大社教):出雲大社が布教活動をするために設立した一派。天照大神の他に大国主神も祀るべきだとして伊勢神宮と対立、これが独立の原因となった。

f、その他、有力な教派
 *大本教:出口なおと出口王仁三郎が創設。お筆先など神がかりによる。信者数17万人。
 *生長の家:創始者は谷口雅春。神道をベースにして、仏教・キリスト教・フロイト心理学などの要素が入っていると言われる。
 *PL教団:教祖の神的経験による。信者数123万人。
 *まひかり:「天の時到れるなり。起て、光玉と名乗れ。厳しき世となるべし」という神の声を聞き、33人の信者を集めて教団設立。信者数50万人。

神道アラカルト

他、日本人の生活に深く根付いている神道用語などを、いくつか取り上げてみました。

七福神:正月に枕の下に七福神の乗った宝船の絵を入れておくと良い初夢が見られるなどおめでたい存在とされています。しかし、厳格な神社などでは、人間の欲望を神格化したものでしかなく、「神ではない」とする見解もあります。
閻魔大王:本来はインド・イラン共通時代にまで遡る古い神格。死者を裁いて地獄に落とす恐るべき神と考えられるようになり、ついには死神としても描かれるようになりました。
みこし:神輿や山車、屋台などは本来神々の乗り物ですが、時には神々の化身を意味します。
町内を練り歩く神々をもてなそうと、沿道では賑やかな催しを行い、それが祭りになりました。
柏手(かしわで):参拝の基本的な作法で二礼二拍手一礼。
この方法に統一されたのは明治期の神仏分離によるものだそうです。
一の宮:神社には社格(時代によって異なる)というものがあって、国司が任国に赴任したときに参拝する第一位の神社が一の宮、以下二の宮、三の宮……と呼ばれるようになったそうです。
祝詞(のりと):神々を称え、その加護を願って各神職が練り上げた一文を朗誦するもの。
お祓い: 火打石−人の汚れを燃やし尽くす。塩湯−火で残った人の汚れを遥か彼方へ流し去る。大麻(おおぬさ)−巻き起こす烈風で、火や水でもしぶとく残った人の汚れを吹き飛ばします。

………意外と知らないことが多いですね。


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